ルチルクォーツ の基本情報

ルチルクォーツ の鉱物説明

ルチルクォーツは正式名称をルチルレーテッドクォーツと呼ばれるルチルを内包物として含む水晶のことを指します。
主な産地はブラジルで、美しいゴールドの針やシルバー、ブラックの針などがあります。
針の正体は二酸化チタン鉱物で、こちらがルチル（Rutile：金紅石）というため本項の鉱物はルチルクォーツ（ルチル入り水晶）となります。

2種類の鉱物が交わっているため、本来の鉱物としては扱われなかった石ですが、この石自体が大変美しく、特に近年ジュエリーとしての利用も広まっていることから高品質なものは大変高額で取引されています。
金色の針が富を象徴したこともあり、パワーストーンとしての人気も1位、2位を争うほどです。

ルチルクォーツ の種類について

ルチルクォーツには針の色によって種類があります。

①タイチンルチル（針がゴールドで太い）
②ゴールドルチル
③プラチナ（シルバー）ルチル
④ブラックルチル
⑤グリーンルチル
⑥レッドルチル
⑦ブルールチル

【針の色（素材）による学術的分類】
少し難しい話になりますが、上記のルチルの種類は一般的な通称で、現時点の学術的な分類では、針の素材が何であるかで鉱物名称がかわります。
こちらでは針状結晶入り水晶という鉱物の体系について記載します。

〇サゲニティック･クォーツ：針の成分は未特定（針状結晶入り水晶の総称）
・ルチルレイテッドクォーツ：針の成分はルチル（タイチンルチル・ゴールドルチル・プラチナルチル・ブラックルチル他）

・アクチノライトインクォーツ：針の素材はアクチノライト（グリーンルチル）

・トルマリネーテッドクォーツ：針の素材はトルマリン（通称：ブラックルチル・グリーンルチル・ブルールチル）

・アンフィボールクォーツ：針の素材はアンフィボール（レッドルチル）

針の結晶が二酸化チタン鉱物のルチル由来の場合はルチルレーテッドクォーツ、トルマリン由来の針状結晶入り水晶はトルマリネーテッドクォーツ、その他成分の違いによってアクチノライトインクォーツ、アンフィボールクォーツと呼ばれます。
そのため、色の違いでゴールドルチル、ブラックルチル、グリーンルチル、レッドルチル、ブルールチルと呼ぶのは鉱物学的には間違っていると言えます。

ポイントは「ルチル＝針水晶」ではないという点です。

石の名称でよくあるのが、最初にどの鉱物を指して名前がついたか？ということです。
例えばブルームーンストーンは現代では名前がついた頃の産地のものはほとんど産出しないため、ペリステライトという同種の鉱物が現在ではブルームーンストーンとして認識されることも多くなってきました。

これも厳密に言えば間違いですが、筆者はなんという名前で呼ばれるかよりも、花や草木のように自然界の鉱物を生活に取り入れて頂くことを重視しているので、販売者側の都合でどんな名前をつけても良いというのは違いますが、難しい名称よりも覚えやすい名称が良いと考えています。
この石自体に人気が無ければこのような議論も出ませんので、人気の証とも言えるかも知れません。

ルチルクォーツ の品質について